コインランドリー経営のノウハウとは？
主な経営形態や成功のポイントも解説

コインランドリーの経営とは

最近、道を歩いていると、「コインランドリーが増えたな」と感じたことはないでしょうか？
実は土地活用のひとつの手段としてコインランドリー経営が注目されています。その名の通り、コインランドリーを経営し、店舗内に洗濯機や乾燥機を設置して利用料金を取る仕組みです。
少し前までは20代・30代などの単身世帯がメインターゲットでしたが、近年では高齢者やファミリー層も利用するようになり、利用者層が拡大しています。
ニーズが高まっているのに合わせて店舗数も増えており、今後も増加し続けることが予想できます。

コインランドリーを経営するメリット

コインランドリー経営をするメリットは、主に以下の4つです。

・管理の手間がかかりにくい
・不動産投資に比べれば少ない金額で始められる
・ランニングコストが安い
・定期的に安定した収入が期待できる

コインランドリーは初期投資をすれば、あとは利用者が自分で洗濯・乾燥・回収をしてくれるため、手間をかけることなく経営できます。
また、その初期投資も大きな金額は必要ないため、はじめてビジネスを展開する方に適していると言えます。

コインランドリーを経営するデメリット

コインランドリー経営をするデメリットは、主に以下の4つです。

・高収入は期待できない
・近くに競合店ができると収入に影響を受ける場合がある
・導入する設備が多いため移転などは難しい

コインランドリー経営をするために不動産のような多額の費用は必要ありませんが、限られた台数の機械であげられる売上には上限があります。
起業して莫大な利益を得たいと考えている方には、あまり適していないため、ほかのビジネスを検討したほうがよいかもしれません。

コインランドリーの主な経営形態

ここからはコインランドリーの主な経営形態を紹介します。
各経営形態の特徴や注意点を解説するので、自分に合うものを探してみてください。

直接経営

直接経営は自分の責任で、コインランドリーを出店する方法です。開業する土地選びから店舗の建設、資金計画、運営などをすべて個人で行います。
自分の好みにあった店舗を経営できるため、経営能力に自信のある方や自分のアイデアを反映させたい方に向いています。
とはいえ、すべて自分で行う必要があるため、手間や責任が大きくなる側面がある点には注意しましょう。

フランチャイズ経営

フランチャイズとは、コインランドリーの事業者とフランチャイズ契約を結び、チェーン店舗として経営を行うことです。
すでにできあがった企業イメージや運営ノウハウ、マニュアルなどを受け継げます。開店準備から開業後の売上管理などのサポートも受けられるため、直接経営するよりも手間がかかりません。
大手の場合、知名度があって集客をしやすいため、開店がはじめてで不安な方に適した経営手法です。
一方で、直接経営と比較して自由度は低く、利益に対するロイヤリティや加盟金が発生したり、規約違反をした場合はペナルティを受けたりする可能性があることも理解しておきましょう。

コインランドリー専門業者への借地契約

コインランドリーを行う事業者に所有する土地を貸しだして、賃料を得る方法です。
開業のための初期投資や運営資金は不要で、安定した収入を得られるメリットがあります。また、手間やコスト、失敗のリスクもなく収入が得られます。
一方で、どれだけコインランドリーが繁盛しても収入が増えることは期待できないでしょう。

コインランドリーの経営に必要な初期投資

コインランドリーの経営で成功するためには、初期投資でいくら必要なのか知っておく必要があります。
初期投資に必要な金額の概算は、以下の通りです。

・10～15坪程度の小型店舗なら約2,000～3,000万円
・50坪程の大型店舗なら約3,000～4,000万円

内訳は建設費と内装・外装工事費、機器購入費などです。
都心部もしくは地方で出すのか、また内装のこだわり具合などによって費用は大きく変わるため、ひとつの目安としてください。

コインランドリーの経営における利回り

コインランドリー経営の利回りは平均8～12%と言われています。
利回りの計算式は以下の通りです。

実質利回り＝（売上-経費）÷初期投資×100

コインランドリーの減価償却は7～10年と投資回収も早く、平均の利回りを8～12％と程度。
大型店舗であれば、減価償却後、純利益は年間400～720万円程が予想され、同じ条件で15坪の小型店舗の場合、純利益は240～480万円程となります。
株式投資の中でも高配当と言われる企業は年で3～5%の配当還元率で、また投資信託を購入したときの利回りは、平均3～8％と言われています。そのため、コインランドリー経営における利回りは比較的高いと言えます。

コインランドリー経営のノウハウと成功させるポイント

コインランドリー経営は、気軽に取り組めそうなイメージをもつ方もいるかもしれません。しかし、成功させるポイントを押さえておかないと、失敗してしまうリスクもあります。
ここでは、コインランドリー経営のノウハウと成功させるポイントを紹介します。
以下で詳しく見ていきましょう。

立地を精査する

コインランドリー経営では、立地は非常に大切です。
候補地でコインランドリーの利用を見込める住人や旅行客がいるかなど、利用客がアクセスしやすい場所か精査しましょう。
また、コインランドリーは新規参入も多いため、現状だけでなく近隣に競合店舗ができそうな土地がないかなどの調査もする必要があります。
自力で精査するのが難しい場合、コインランドリー専門業者などにリサーチを依頼するのもおすすめです。

適した設備を選ぶ

コインランドリーが広く活用されるなか、どの機械を導入するかは非常に大切です。
ターゲット層のニーズを調査し、導入する設備を決めましょう。
コインランドリーの設備は主に以下の通りです。

・小・中・大型洗濯機
・乾燥機
・スニーカー専用機
・ペット用品専用の洗濯機など

湿度が高い地域など家庭用の洗濯機では洗えないものを想定して「ふとん洗い」に対応した機器や、ファミリー層が多い地域では「スニーカー洗濯」用の機器を導入するといった工夫も可能です。
とくにコインランドリーでは大物洗いを目当てに来店する客も多いため、大型洗濯機が多めに設置される傾向にあります。

駐車のしやすさを考える

コインランドリーを利用する客層は地域によってさまざまです。重い洗濯物を車で運んでくる方が多い地域もあるでしょう。
とくに都市部以外では、コインランドリーにも駐車場の設置が必要不可欠です。
通行車両が多い道や比較的スピードが速い道路沿い、中央分離帯のある道路沿いなどは駐車しにくく不便です。
車で来店する方が多い地域ではなおさら、駐車のしやすさを考慮しましょう。一度、コインランドリーを運営する予定の地域を運転してみると、ヒントが見つかりやすくなります。

駐車場の配置を考える

カーペットやカーテンなどのサイズの大きな洗濯物をもってコインランドリーに行く際、駐車場からコインランドリーまでの距離は近いほうが重宝されます。
そのため、駐車場からコインランドリーまでの導線を短くするなど使いやすさを考えましょう。
しかし都市部で単身者の利用が多い場合や、旅行客をターゲットにしている場合は、駐車場がなくてもコインランドリー経営は可能です。

付加価値をつけて差別化する

周辺に競合店が増えても、「洗濯ができる」以外の付加価値をつけて差別化することが大切です。集客効果が得られ、リピーターとして定着してもらいやすくなるからです。
たとえばコインランドリーにカフェや雑貨店を併設すれば、仕上がりを待つ時間を快適に過ごせ、人が集まるような地域のコミュニティの場となります。
洗濯終了時にメールで通知されるなどの便利な機能もありがたいサービスです。
駐車場の配置と同様、ターゲット層のニーズに合わせた付加価値を提供して差別化しましょう。

積極的に経営する

コインランドリーに行っても、店員がいることはあまり見かけないでしょう。
コインランドリーは基本的に無人でも運営できますが、管理が行き届かないと店内が汚れて利用者に悪印象を与えてしまいます。
そのため、できる限り店舗に出向き、積極的に経営しましょう。
また、店内を清潔に管理したり、忘れ物やクレームに即座に対応できたりすると好印象を与え、差別化にもなります。

自店に適したコインランドリー経営のノウハウを知る方法

「自分もコインランドリー経営をやってみたい」と考えている方もいるでしょう。
大手フランチャイズに加盟すれば本部が持つノウハウを利用できます。加盟金や月々のロイヤリティはかかるものの、すでに確立されたブランド力を活かして運営できるため、初心者の方におすすめです。
直接経営する場合は、物件選びから店舗設計、設備の購入、運営などを独自に行っても構いませんが、実績の豊富な設備メーカーやコインランドリー経営支援サービスを利用するのがおすすめです。
スタッフ対応や提案力、サポート体制などから自分に合ったサービスを選んでください。

まとめ

今回は、コインランドリー経営に欠かせないノウハウを紹介しました。
コインランドリー経営では、開業時の初期投資は必要ですが、人件費やランニングコストは比較的低く設定できます。軌道にのればコンスタントな収益も期待できます。
今後もコインランドリー経営をする方は増えることが予測されるため、立地を精査するだけでなく、付加価値をつけたり、積極的に経営をしたりして、ほかのコインランドリーとの差別化を図りましょう。
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