被害が拡大する「トコジラミ」
コインランドリーの活用で一網打尽に
こんにちは。TOSEIライターチームです。
首都圏の電車内で発見されるなど、ここ数年、都市部を中心にトコジラミによる被害や相談が増え、波紋を広げています。刺されると猛烈なかゆみをもたらすこの虫は、繁殖力が強く駆除が難しい、非常に厄介な存在です。そこで今回は、“備えあれば患いなし”ということで、知っておいて損はないトコジラミについての正しい知識と適切な対処法をご紹介します。
この記事で分かること
・国内外でトコジラミの被害が拡大
・知っておきたいトコジラミの生態
・家庭でもできる駆除の方法は?
・高温&熱風に弱いトコジラミ
・コインランドリーの賢い利用方法
目次
トコジラミの大量発生が社会問題に
名前に「シラミ」とついていますが、分類学的にはカメムシの仲間で、南京虫(ナンキンムシ)とも呼ばれます。日本には江戸時代以前から生息していると考えられており、1960年代までは住宅が密集する地域でよく見られる一般的な虫でした。
1970年代以降、殺虫剤の普及によってその数は激減。ほとんど目にすることはなくなりましたが、近年、日本国内でも東京や大阪など大都市を中心に相談が多数寄せられ、東京では2022年の相談件数が247件、大阪府では271件と、15年ほど前に比べるといずれも4倍近くまで増えています。
オリンピックを控えたパリをはじめとするフランス国内でもトコジラミが大量発生し、政府が駆除に乗り出すなど社会問題へと発展。国民の間で不安が広がっていると国際的なニュースメディアでも取り上げられました。
知っておきたいトコジラミの生態
かつては海外から持ち込まれると言われてきたトコジラミですが、近年では不特定多数の人が滞在する場所から洋服や荷物に付着して家庭内に持ち込まれるケースも多数報告されています。
夜行性で日中は活動せず、部屋の隙間等に潜んでいるため見つけにくいのが厄介なところ。繁殖力が高くメスは1日に5~6個の卵を産み、1週間前後でふ化すると、1~2カ月で幼虫から成虫になるため短期間で増殖。生息範囲が家中に広がってしまうと駆除が困難になります。トコジラミがいる場所には血糞と呼ばれる黒いしみが点々と見られるので、注意深く確認する必要があります。
<トコジラミはこんな虫>
・成虫は大きさ2mmから8mm程度。茶褐色で人やペットの血を吸うと赤みがかった色になる。卵や幼虫は乳白色で粘着性がある。歩行スピードは早く、荷物や家具に素早く潜り込み、生息範囲を拡大。
・メスは1日に5~6個(生涯に200~500個)産卵。1週間でふ化し、1~2カ月で幼虫から成虫へ。光を嫌い日中や照明がある場所では、家具の隙間や壁の亀裂に隠れる。
・寝室のベッドやリビングのソファなど人が長時間いる場所、電気製品やコンセントの中など暗くて狭くて暖かい場所を好む。
※東京都福祉保健局「知っていますか?トコジラミ」参照
トコジラミに刺されるとどうなるの?
トコジラミは人や動物の血液だけを栄養源とし、4~10日に1回の頻度で吸血すると言われています。刺されると激しいかゆみや腫れ、発赤が生じ、その症状からダニと勘違いされることもありますが、ダニが皮膚の柔らかい部分を刺すのに対し、トコジラミは手足や首など肌が露出している部分を刺します。かゆみや腫れの出方には個人差があり、刺されて数日後に症状が出る場合もあれば、刺される回数が多すぎてかゆみを感じなくなる場合もあって、気づかぬうちに家の中で増殖していることもあるので注意が必要です。
どうしたら駆除できる?効果的な方法は?
ベッドの隙間やマットレスの裏側、布団や枕のなか、カーテンのひだやソファの隙間など、トコジラミが生息しやすい場所でその姿を見たり、血糞などの痕跡を見つけたりした場合、被害の拡大を防ぐためにも早急に駆除しなければなりません。
トコジラミの駆除方法としては、殺虫剤などの薬剤の利用が一般的ですが、近年、スーパートコジラミと呼ばれる、従来の殺虫剤に耐性を持ったものも増えていると言われています。殺虫剤の成分によっては効果がないだけでなく、トコジラミを無駄に刺激し他の部屋に逃がしてしまうなど、被害を拡大する恐れもあるので取り扱いには十分注意が必要です。
<自分でできる駆除の方法>
その1 熱風や高温の蒸気をあてる
その2 掃除機で隅々吸引する
その3 入り込みやすい隙間を封鎖する
その4 殺虫剤で退治する
1つめは潜んでいる場所に一定以上の高温を一定の時間あて続ける方法があります。この方法の場合、トコジラミがさらなる奥へと入り込んでしまうことがありますので、逃げ場がないことが条件になります。2つめは熱風などが届きにくい隙間の奥に潜んだトコジラミを掃除機で吸引する方法。3つめはトコジラミが隠れやすい隙間を徹底して塞ぎ、潜り込めないようにする方法です。
いずれも場所によって完璧な駆除方法というわけにはいかないため、いくつかの方法を組み合わせるといいでしょう。ほかには殺虫剤で退治する方法もありますが、取り扱いに注意を要する場合があり、大量に使用しないと効果が発揮されないこともあるようです。自分では的確な処理が難しいと感じたら、専門の防除会社に駆除を依頼しましょう。
※(一財)日本環境衛生センター「トコジラミとその効果的な防除法」参照
コインランドリーの熱風&高温で一網打尽に
上で紹介した駆除方法のなかで、注目したいのが「熱風や高温の蒸気をあてる」方法。トコジラミは高温に弱く、上記・日本環境衛生センターの資料では、50℃で30分、60℃で10分、100℃近くの高温に数秒さらされると死滅するとしています。家庭用の洗濯乾燥機の性能も向上していますが、布団や毛布を高温で乾燥させるとなると、やはり大型の洗濯乾燥機を備えたコインランドリーの利用がおすすめです。コインランドリーにある大型の洗濯乾燥機であれば、かけ布団や毛布はもちろん、敷布団の洗濯・乾燥も可能です。
コインランドリーでは洗濯物の取り扱いに配慮して
トコジラミ撃退法として有効なコインランドリーですが、利用する際はいつも以上に洗濯物の取り扱いには注意が必要です。無造作に洗濯物を持ち込むと、トコジラミの被害を周囲に撒き散らしてしまうことになりかねません。持ち込む際には洗濯物をしっかりとビニール袋に入れて密閉し、店内に逃げ出さないよう洗濯物を投入しましょう。さらには使用後のビニール袋にもトコジラミが残留していないかよく確かめるなど、くれぐれも慎重に取り扱ってください。
また、最初に熱風乾燥にかけるのもおすすめです。熱に弱いトコジラミを死滅させてから、通常通りの洗濯コースで汚れを取れば、トコジラミの死滅と死骸の除去を効率的に行うことができます。
旅行に出かけた場合、旅先でスーツケースにトコジラミが紛れ込み、知らぬ間に持ち帰ってしまうことも考えられます。余計なお土産をわが家に持ち帰らないためにも、帰国したその足でコインランドリーに直行するのもおすすめです。洗濯乾燥機を利用する際は、スーツケースをよくチェックして、洗濯物の出し入れも手早く行いましょう。
<コインランドリー利用時の注意点>
・洗濯物はビニール袋などでしっかり密閉して持ち込む
・洗濯乾燥機に入れるときは慎重に
・最初にリフレッシュスチーマーでトコジラミを死滅
トコジラミ退治に有効!リフレッシュスチーマー
TOSEIのコインランドリー機器の中でも、トコジラミ対策としてとくにオススメなのが「リフレッシュスチーマー」です。例えば、布団のトコジラミを駆除したい場合、機器に布団をセットするだけで、あとは機械におまかせ。高温スチームと消臭除菌剤が噴出され、洗剤を使わなくても中綿までフワフワ清潔に仕上げてくれます。しかも、殺ダニ率は100%!熱に弱いトコジラミにも同様の効果が期待できます。敷き布団や掛け布団のほか、マットレスや毛布、カーペットなどにも利用できます。
最後に
トコジラミはもちろんダニ対策にも有効なコインランドリー。定期的なお手入れで、日頃から布団を清潔に保っておくことで、いざというときにいち早く状況に気づけます。布団洗いを習慣にして、清潔ですこやかな暮らしを心がけてみてはいかがでしょうか。