UNTITLED(アンタイトル)
- 住所
- 東京都渋谷区
飲食・食品加工(冷凍食品)
「敢えてコンセプトを持たないこと」をテーマに、仕事帰りの一杯や友人との集まり、大切な記念日など、シーンを選ばない自由な雰囲気が愛されるダイニングバー「UNTITLED~アンタイトル~」。多くの飲食店がそうであったように、こちらのお店もまた新型コロナウイルスの影響を受けました。通常通りの営業がしにくい状況が続くなか、今だからこそ「何かしなければ」と取り組んだのが、お店で一番人気のシカゴピザを自宅で手軽に楽しめる冷凍食品にすること。特徴的な形状から難しいと思われた商品化を推進し、新たな事業としてスタートさせた店舗マネージャーの渡邊さんに、その経緯をお聞きしました。
コロナ禍の窮状を打破したい
冷凍シカゴピザを作ろうと思ったきっかけは?
シカゴピザは名前のとおりアメリカ・シカゴ発祥で、縁の高い器のような形が特徴です。ホールケーキのようにも見える特徴的な形を活かして、当店では竹炭を練り込んだ黒い生地に真っ白なチーズソースというインパクトのある見た目にこだわりました。おかげさまでお客様からの評判もよく、看板メニューとしてすっかり定着していました。また以前から「家でも食べたい」という声をたびたびいただいていており、商品化についても漠然と考えてはいました。それが、コロナ禍で従来のような営業スタイルを維持するのが難しくなり、自分たちに今できることは何かを考えるうちに、出てきた答えが冷凍シカゴピザでした。お店に来ていただけないお客様のもとに、少しでも笑顔になってもらえるものを届けようと、その一心でした。
お店の味をそのまま届けるために
なぜ真空包装機(真空パック機)を導入したのでしょうか?
ネット販売をめざすためには、必要な保存期間の確保、それから、お店の味をそのままお届けし簡単調理で食べていただきたいという味へのこだわりの確保という、2つの課題がありました。この2つの課題に応えてくれたのが、真空包装機を導入した真空冷凍という方法でした。 最初は技術や設備の整った企業にお願いして、OEM(※)での商品化を考えました。いろんな会社に問い合わせをして相談したのですが、人件費の問題に加えて、作ること自体難しいといわれまして……。レシピや作り方、パッケージの問題など、商品化するには越えなければいけないハードルがいくつもあることがわかりました。
ただ、お話を聞いたなかで一社だけ、シカゴピザの商材としてのおもしろさに注目してくれた会社が、いろいろ協力してくださった結果、OEMではなく製造から自分たちでやろうということになったわけです。試行錯誤しましたが、自分たちで製造すると決めた時点で、真空包装機の導入は必須となりました。
※OEM=Original Equipment Manufacturerの略で、他社ブランドとして販売される製品の製造を行うこと。
各種機材の導入に目処が立ち本格始動
真空包装機の導入に補助金は利用されましたか?
新規事業に対する支援金や事業の再構築に対する補助金などがあることを知り、どの制度が利用できるのか、申請に必要な手続きのことなど、詳しい方からアドバイスをいただいて、真空包装機のほかに急速アルコール冷凍機、食材を保管するストッカーを導入しました。補助金を利用できることがわかり、機材の手配にも目処がたったことで、シカゴピザ専用の工房を作って製造から販売まで自分たちですべてやろうと決心できたといってもいいですね。来店されるお客様の対応をしながら、冷凍用の商品を仕込んでいくのは現実問題として難しいと思っていましたし、機材を置くスペースの問題もありました。
専用の工房を構えて製造に特化できるのは、作業効率の点でもメリットが大きいですし、真空パックや冷凍の作業を行うための十分な作業スペースが確保できることは、安定的な生産数量の確保や、味、品質の向上と維持にもつながり、持続性の高い事業に育てることができると考えました。
真空パックで、お店の味わいを自宅で再現
真空包装機の導入で、どんな効果がありましたか?
大きかったのは、真空包装機、急速冷凍機、ストッカーを導入したことで、味の一律化が可能になったことです。季節や室温・湿度の変化は味に大きく影響しますが、この3つを揃えたことで一定の味わいをキープできます。どうしても店舗で提供するものとは、作り方が違います。パック時に真空包装の圧が強すぎると高さを出している縁の生地がつぶれてしまい、適正な真空圧を割り出すまでに結構時間がかかりましたが、自宅の電子レンジ調理だけで、お店の味わいを再現できる商品になりました。
今後はお店の人件費についても効率化する予定です。アルバイトの中には、ピザ作りが難しくて辞めてしまう人もいました。ダイニングバーのスタッフにプレッシャーをかけることなく、冷凍ピザ作りに集中して作業できるので工房があることは、非常に大きなメリットですね。 お店の厨房で他の業務と並行して作っていたときに比べると、商品の仕上がりにもムラがなく、いつ食べても、アンタイトルで食べるあの味をご家庭でお楽しみいただけます。工房で作る生地だからといってグレードが下がる、ということにはしたくない、というのが、いちばんの願いです。
冷凍自販機の導入でさらなる販路拡大へ
今後の事業展開についてお聞かせください
専用の通販サイトでの販売と同時進行で、冷凍自販機での販売の計画も進めているところです。ほかにも無人の販売所なども設けようと場所を探していただいて、できるだけ非対面・非接触など人を介さない方法での販売展開を検討しています。売り上げ目標は一日30個。それくらいはコンスタントに提供できるようにしたいです。また、お子様やお年寄りの方、持病がある方など、感染症への配慮が必要な方や、コロナ禍が落ち着いた後もダイニングバーだと訪れる機会が少ないという方などにも広くお届けすることで、できるだけ多くの方々に笑顔になっていただきたいと思っています。 今後、冷凍自販機「ど冷えもん」での販売がスタートすると、一度に提供するロット数も大きくなると思うので、目標数もこなしていけるのではないかと期待しています。
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