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ふれ愛ランドリー

住所
鹿児島県いちき串木野市川上

他事業併設型(洗車場併設)

全国にすでに2万店舗ほどあると言われるコインランドリー店。競合店との差別化や、来店動機に頭を悩ませるオーナーは多いですが、併設や店内の環境構築などを使って競合他社と「戦わない」店作りをするのも選択肢の一つ。コインランドリービジネスの目指す新天地について伺いました。

コインランドリーの直営店を43店舗とはすばらしいですね。会社や店舗出店の経緯をお聞かせください。

1983年に鹿児島にて、クリーニング用の業務用機械を販売したり、メンテナンスをしたりする会社からスタートしました。当初はクリーニング機械やコインランドリー機器を販売する事業部と、ダスキン様の工場運営の二本柱の会社でした。

当初はお客さまにコインランドリー機器を売っていたのですが、なかなか広がりませんでしたので、モデル事業という意味もあって1991年ごろから直営店を何店舗か出したのが直営店進出のきっかけです。ただ、私が15年前、2004年に東京から来たときはまだ5店舗しかありませんでした。当時は増やそうという気もなかったのですが、それから年3、4店舗ペースでどんどん増やして、2013年に社長になったときからはもう倍になりまして、鹿児島では直営店でNo.1になりました。

コインランドリー店を展開するにあたって特徴付けなどはされているでしょうか?

弊社では13、14店舗目あたりでクリーニング店とコインランドリーの併設店を始めました。22店舗目ではコンビニエンスストアのセブンイレブンさんと併設し、現在はほかにも美容室や、スーパーマーケット、スポーツジムなどとのコラボ店もあります。最近では、なんでも洗える場所というイメージをつけるのに洗車機を置いたりもしています。特にコンビニは大きな効果がありまして、こんなところにコインランドリーがある、と知っていただくだけでずいぶん違います。

晴れの日でも、コンビニのついでに行こうかな、となりますし、小売店は雨の日の客足が落ちるのが悩みですが、コインランドリーは逆に雨の日に乾燥機の需要がありますので、併設されていると客足がそこまで落ちないメリットもありますね。コンビニ併設2店舗目は先方からお申し出をいただいたくらいです。こういったシナジー効果でお互いにうまく回っていくのがいいところです。こうした併設店舗の中には月商200万円を超えるところもいくつかあります。

出店の際気にされていることはありますか?

鹿児島は完全に車社会ですから、駐車場ですね。市内であっても、十分な駐車場がない場所には出店しません。私たちのリサーチでは、コインランドリーを使われる75%が女性のお客様です。女性は車の出入りのしやすさも気にされるというデータがありまして、停めやすい広い駐車場と、出入りのしやすい導線というのは重要だと思っています。リピーターにもつながります。

大は小を兼ねて、弊社ではほとんどの洗濯乾燥機を大型と中型しか入れていません。少ない場合は中型の少量コースで対応します。一番大きい店舗は30台の機械を置いているんですよ。
鹿児島は、火山灰もありますし、そもそも東京より1.5倍ほども雨が降るんです。高温多湿で洗濯物が乾きにくく、中国から黄砂やPM2.5もやってきます。そういった意味ではコインランドリーのビジネスチャンスは多いですが、そこにアグラをかかず、より使いやすいように気を配ることが大切ですね。

「無人」にこだわらない、攻めの営業

コインランドリーの魅力に無人でできる、というのがありますが、私はそこに引っ張られるべきでないと思っています。どうしても、コストカットですとか、人件費ですとか、守りの営業になってしまう。そうではなくて、こちらからお客様に「どうですか?」と攻めに転じていくほうがいいんです。

しかし、各店舗に人を常駐させるわけにいかないですよね?

弊社の43店舗は地区ごとに10数店舗ずつ分かれていまして、4人のエリアマネージャーが管理しています。1つの地区を1か月ごとに切り替えて順繰りに回しているんです。ずっと同じ店舗を見ていると、それが当たり前になってしまいますので、気づきや発見につながるよういつも新鮮な気持ちで見られるようにですね。

各店をエリアマネージャーが回る際、お店の前にウェルカムボードを出しておきます。本日はエリアマネージャーの点検で、プリペイドカード10%オフです。ただし、私に話しかけていただいたらさらに10%オフになります、と。するとお客さんに話しかけていただくきっかけになりますよね。そこでこういったものもお洗濯できますよ、とか、あそこにも店舗がありますよ、とかお話できます。リピート率も上がりますし、お店のファンを獲得できますね。これをしないとただの点検、作業の人になってしまうので、ずいぶん差ができます。

売り上げといいますのは、客数×客単価×リピーター率の掛け算です。客数は、人口自体が減ってきていますから、急にどんと増やして維持するのは難しいでしょう。私が注目しているのは客単価です。この3つは掛け算ですので、どこが倍になっても売り上げの値は同じになります。先ほどのようなプリペイドカードの営業などを行うことで、従来より客単価は600円アップしました。これはかなり大きな数字で、同時にリピーターも増えましたから、手ごたえをとても感じています。何より、エリアマネージャーのモチベーションUPにもつながります。

デジタルサイネージの活用

店舗を拝見するとデジタルサイネージ(業務用の動画ディスプレイ)が目立つ場所にありました。導入の経緯と効果について教えてください。

私は以前、東京ではSE(システムエンジニア)をしていました。それで、各店舗に導入することにしたんです。ランドリーですので、天気予報や花粉・降灰予報が見られるように自社でコンテンツを作りました。それから、鹿児島の文化や歴史・観光に関するコラムも流れます。社内に鹿児島検定という資格で最上位を取った社員がいまして、そのスタッフがコラムを書いているんです。写真は県に連絡を取って、公式のものを使用させていただいています。行政と組むのはとてもいい方法ですね。地元企業のCMも流していますよ。

こういったCMは、広告収入のためというより、むしろそのCMを出してくれた企業の社員、従業員さんが潜在的なお客様になることを考えています。自分の会社のCMが流れているコインランドリーがあると知っていたら、洗濯物があるときにそこを選ぼうと思うでしょう? 弊社も鹿児島の企業ですので、地域密着でやっています。テレビや電車内の広告よりずっと安い広告料で設定しているんです。

また、ご当地キャラクターで「薩摩剣士隼人」というヒーローがいるのですが、コラボCMを3本作ってサイネージで流すようにしているんです。薩摩剣士隼人が、悪者と戦って靴が汚れてしまってランドリーへ来たとか、車から洗濯物を持ってきてランドリーに入れる、とかですね。これは絵コンテから私が関わりました。かなり子供受けしているキャラクターなのですが、地元企業を応援するコンセプトでしたので、OKをいただけましたよ。エリアマネージャーが店舗をめぐる社用車にも隼人が描いてあるんですが、お子さん連れの方に写真を撮っていいか、と声をかけられることもよくありますね。子供世代は将来のお客さんですし、地域貢献にもいいかなと思います。サイネージで流している鹿児島の観光地の情報などのコラムもよく見ていただけているようです。

将来的にはローカルニュースやお祭の情報、雇用情報などもサイネージに出してみたいですね。コインランドリーはそうした地域のコミュニティになれる資質があると思っています。そういった空間を作っていくことで、他社とは違う店をつくっていけるんです。

業界に関する今後の展望はいかがでしょうか?

今国内のコインランドリー市場は推定ですが1000億ちょっと、といったところかと思います。家庭用洗濯機は50兆円市場と言われますので、その2%しかありません。今後この2%はまだ伸ばせるのではないかと思うんです。1%増えても1.5倍になるので、どんどん伸ばしていきたいところですね。そのためのプリペイドカードやサイネージといった攻めの営業姿勢です。

また、お客様の高齢化で、免許を返納された方などは、タクシーでご来店されてお布団を洗ったりされるんですが、今後のことを考えると宅配や訪問受け取りサービスもあっていいのかなと考えます。まだ法律の問題やビジネスの仕組み構築がありますのですぐにとはいきませんが、長い目で見ればシーツや寝間着の洗濯など介護にも絡んでいきます。介護や診察などは在宅訪問に寄っていくでしょうから、ランドリー業界もそちらにいくことを考えていかなければいけませんね。

それから地域活性のイベントのようなものもやっていきたいと思っています。ご当地キャラクターとコラボイベントをしてもいいですね。
こうしてあれこれ方法を尽くして、手をかければかけるほど売り上げが上がっていくのがコインランドリーなんですよ。

TOSEIをお選びいただいた理由や、ご要望について教えていただけますか?

弊社の機械は今957台ありまして、うち651台がTOSEIさんのものでした。ある時点から切り替えましたので、他社製品は古いものだけですね。

メリットとしては、弊社は大型の洗濯乾燥機が欲しかったという需要に合っていたこと。それからメイドインジャパンの機械であるという点ですね。やはり国内企業を応援したい気持ちがありますし、お客様の安心感にもつながります。
TOSEIの製品はメンテナンスがしやすい利点があります。修理も早いでしょう。メンテナンスがうまくできないとなるとお客様にご迷惑がかかることになりますので、しっかりメンテナンスができるのはいいことですね。つまり、TOSEIのコインランドリーは、お客様にとっても、お店側にとっても、良い機械だと思います。

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