LAVANO高塚店
GOOD DESIGN AWARD2018 グッドデザイン賞 受賞
- 住所
- 浜松市西区篠原町
他事業併設型(カフェ他併設)
従来は暗い印象が多かったコインランドリーを、
むしろずっと過ごしたくなる空間へ変え、来店動機につなげていく
多くのオーナーが「そうしたい」と思いながらもなかなか実現が難しいのが実際のところ。空間デザインやカフェの併設などで、楽しく家事のできる場所への転換をうまく起こした店舗はやはり人気が出るもの。いったいどのような工夫を重ねたのでしょうか?繁盛店を訪れ、お話を伺いました。
今回は、静岡県浜松市の建設会社が運営する、カフェと雑貨店を併設したコインランドリー「LAVANO高塚店」を取材します。お話しを伺ったのは同店の店舗責任者 鈴木勢人さんです。 LAVANO高塚店は2018年の「GOOD DESIGN AWARD2018」で「グッドデザイン賞」を受賞した明るい店内。ウッドデッキを配し、とても居心地が良さそうです。店の前には便利な広い駐車場があり、店を囲むナチュラルな植栽が広い窓から望める解放感が特徴です。店舗や住宅、複合施設なども手掛ける企業の直営ランドリーに、他業種からの参入について伺いました。
建設会社がなぜコインランドリー業に着目したのかお聞かせください。
日頃付き合いがあるガス屋さんにすすめられたのが最初です。わが社には不動産事業部もありまして、土地の管理もしていましたので、活用事例の一つとしてコインランドリーという事業にはもともと関心がありました。建設業は波がある業種ですから、反対に安定した資産運用ができる業態を求めていたんですね。コインランドリーは初期投資こそかかりますが、ローリスクで手堅い収益が見込める部分が、社長の考えに合っていたと思います。実はレンタルルームなども考えましたが、人件費などの管理費やセキュリティを考えるとコインランドリーのほうが着実に利益は安定していると感じています。
デザインにとても力をいれておられますね。
オープンは2016年なので、当時はまだスタイリッシュなコインランドリーは少なかったんです。せっかく建設会社が作るのですから、「デザインが変れば、コインランドリーの利用シーンも変りますよ」と、提案したい気持ちもありました。それだけでなく、この店舗を一つのモデルルームのように使えるように考えて設計しています。外観をこだわったり、カフェのスペースを併設したりですね。おかげさまで、この建物を見た方からお問い合わせが増えました。多いときで6倍ほど問い合わせをいただいています。コインランドリーは家事をする場所と考えて設計したことで、店舗だけではなく住宅や、植栽を含めたお庭作りのお問い合わせも増えました。十分にそちらの目的も果たしている店舗になったと感じています。
カフェを併設したきっかけを教えてください。
コインランドリーもカフェも初出店ですから、一から考えました。まずコインランドリーのイメージについて考えたとき、出てきたのが「待つのに困る」それから「綺麗じゃない」というものでした。カフェ併設を提案したのは私と専務の二人で、どちらもコーヒーやカフェ文化が好きでしたし、雑貨店などの面白さについても共通の感覚を持っていました。それで、「待ち時間があるならコーヒーを一杯飲みたいよね?」という話にまとまったんです。むしろ、「カフェとセットでやるなら、コインランドリーが良いよね!」と決まりました。
今でこそ、都内でもこういったカフェ併設店舗がちらほら出てきましたが、こちらとしては、むしろ、都内の店舗が取り上げられた際は「うちのほうが早かったのにね」と思ったくらいです。開設当初はまだそういった店舗はありませんでしたから、保健所の方にも驚かれました。ランドリーは決して汚いことではありませんから、衛生上問題はありませんでしたが、お客様の心情として「コインランドリーのおまけについているようなカフェでは、適当なものが出てくるんじゃない?」と思われるが嫌で。立ち上げから現在まで、そうならないように気を使っています。価格は安く抑えていますが、じゃあこんなもんだろう、と思われるようなメニューはお出ししたくありませんでしたので、試行錯誤を現在も続けています。
たとえばアイスコーヒーは、2019年から水出しに変更しました。こちらのほうが原価は張るのですが、コーヒー豆本来の甘味が感じられて、だんぜんに美味しいんです。社長に原価アップについて相談したところ「そりゃ、おいしいほうが良いだろう!」ということで、価格はそのまま、おいしくしたんです。今はコンビニでも100円でなかなかおいしいコーヒーが飲めますから、どうせ飲むならおいしいものがいいですよね。人気のほうじ茶ラテや抹茶ラテに使っているお茶も、厳選したお茶屋さんから仕入れているんですよ。それをお客様にお褒めいただいて、リピート率に繋がっている点も、あると思います。
お客様のご利用状況についてお聞かせください。
やはり雨の日にいらっしゃる方が一番多いですね。次に週に数回の方と続きます。でも天気にかかわらず、毎日いらっしゃる方も多いんですよ。それと、いまだに初めてのご来店が2割ほどいらっしゃいます。それぞれカフェを利用される割合は異なりますが、全体の売り上げで言うとコインランドリーが8割ほど。あとはカフェと雑貨の売り上げですね。
オープンして3か月はお客様が少なくて地獄のようでした。それに12月にオープンしてから、しばらく雨が降らなくて。建物がコインランドリーらしくなかったので気づかれず、看板を立てるようにしてから徐々に増えたという経緯もあります。出店の際に、プリペイドカードをサービス価格で安売りして、すごく数が出たんです。その時にTOSEIの担当者さんに「見たことない売上です!」と言っていただいて、安心してしまったものですから、その後に数字にショックを受けました。でもTOSEI担当者さんは「初めから爆発的に来ることはありませんよ。最初の3か月の数字としては順調に来ています」と励ましてくれたので、心強かったですね。ただ励ますだけでなく、「プリペイドカードを買っていただいたお客様はこれぐらいの周期で来店します」など、開業したばかりの我々にはないデータをもとに、計画を立ててくれたのは心強かったです。ですから変に値下げをしたり、チラシをまいたりといったコストのかかる宣伝はしませんでした。3か月後には言われた通りぐんと客足が伸びて倍になり、当初の予想数値より少し上になりました。オープン半年でさらに倍になって、1年経った頃にはすでに想定数値を超えまして、そこからは安定しています。今はランドリーだけで月商100万円ちょっとというところまで来ています。
実は、最初に機械を入れたときにエラーが出てしまったことがあるんです。TOSEIさんにお電話したところ、滅多にないが初期不良でした。もちろん早急に直していただけましたが、その後も定期的に「あの後どうですか?」と聞いてくださって、かえって信頼感が高まりました。国内メーカーだと、こういうときが安心ですね。今でも少し何か相談があるとお電話させていただくのですが、気軽に相談できる距離感というのは代えがたいものだと思います。
今後のご予定は?
カフェ併設のコインランドリーを立ち上げてみて、この業態は人が集う場所になりうる、と感じています。ですから、駐車場を使って積極的に地域の交流イベントを行っています。LAVANO高塚店の集客が軌道に乗った2018年には、こうした集いに注目して複合型商業施設「イルクル」を建設しました。コンパクトな建物に、クレープ店、サンドイッチの有名店などの飲食店の他に、美容室、整骨院などが入っています。こうした業態とコインランドリーの組み合わせによる相乗効果も出てきています。
今後は建設業種ならではの、立地に合わせた店舗の設計やデザイン段階からの提案も含めたパッケージとしての販売も視野に入れています。FCも検討していますね。我々スタッフから直接ノウハウをお伝えすることもできるので、オーナーさんには喜ばれる出店ができると思います。苦労した分、マニュアルだけでは対応しきれない経験値の部分もありますから、そういう部分ではお役に立てると思います。建物などのご相談や、運営のコンサルも検討しているところです。
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